「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」…結局どっちが得?
ここで詰む人が多いので、私たちは“判断テンプレ”で即決できる形にします。
大前提:セルフメディケーション税制は医療費控除の特例で、通常の医療費控除と併用できません。
さらに、どちらかを選んだあとに変更できない点も重要です。
1) 申告が必要/不要:まず分岐 ✅
- ✅ 医療費控除 or セルフメディを使うなら、基本的に確定申告が必要
- ⚠️ 所得税の確定申告をしない場合でも、住民税申告が必要になる自治体がある(論点は #04 へ)
2) 所得区分の考え方(これは“控除”レーン)
医療費控除・セルフメディは「控除」なので、所得区分(事業/雑/一時/申告分離)とは別レーンです。
ただし、e-Tax入力では収入側も必要なので、区分が未整理なら先に固めると詰まりません。
3) 売上の集計手順(どの明細を使うか)※最小だけ
- ✅ 配達:アプリ明細→入金照合(#03)
- ✅ ポイ活:通帳+交換履歴+入金(#07)
- ✅ FX:年間取引報告書(#10)
4) まず結論:選択は「控除額が大きい方」を選ぶ
どっちが得?の結論はシンプルです👇
- ✅ 医療費控除額(A) と セルフメディ控除額(B) を両方出す
- ✅ 控除額が大きい方を選ぶ(併用不可)
※控除=「所得から引ける金額」なので、実際の節税額は所得税率等で変わります。まずは控除額比較でOK。
5) 計算式(ここだけ固定で覚える)
A:通常の医療費控除(ざっくり式)
(支払った医療費 − 保険などの補てん) − 基準額(上限200万円)
- 基準額=原則10万円
- ただし総所得金額等が200万円未満なら総所得金額等の5%
B:セルフメディ(医療費控除の特例)
(対象OTC購入費 − 12,000円)(上限88,000円)
- 対象は「特定一般用医薬品等(スイッチOTC等)」の購入費
- 対象レシート等に“対象商品”表示がある
- その年に一定の取組(健診・予防接種など)をしていることが要件
6) 判断テンプレ(これで即決)✅
| 項目 | 入力 | メモ |
|---|---|---|
| ① 支払った医療費(病院/薬局/治療など) | ¥ | 家族分もまとめてOK |
| ② 補てん(高額療養費/給付金など) | ¥ | 目的となった医療費を限度に差し引く |
| ③ 医療費控除 A = (①-②) – 基準額 | ¥ | 基準額=10万円 or 所得200万未満は5% |
| ④ 対象OTC購入費(セルフメディ対象) | ¥ | 対象表示のあるレシート等から合計 |
| ⑤ セルフメディ B = ④ – 12,000(上限88,000) | ¥ | 一定の取組をしているのが前提 |
| 結論 | AとBの大きい方を選ぶ(併用不可) | |
7) “一定の取組”チェック(セルフメディ側の必須条件)
セルフメディを使う年に、本人が「一定の取組」をしている必要があります。例👇
- ✅ 健康診査(人間ドック、各種健(検)診)
- ✅ 予防接種(例:インフルエンザ等)
- ✅ 勤務先の定期健康診断
- ✅ 特定健診(メタボ健診)・特定保健指導
- ✅ がん検診(自治体の健康増進事業など)
※注意:この「一定の取組」に要した費用自体は、セルフメディ控除の対象になりません。
8) 経費:落ちる/落ちない(これは“控除”なので経費ではない)
医療費控除・セルフメディは経費ではなく控除です。
ただし保存・証拠の考え方は経費と同じで「根拠」が命です。
9) 按分のやり方(このテーマでは基本なし)
医療費控除・セルフメディは基本的に按分しません。
10) 証拠の残し方(勝ち筋)
✅ 医療費控除(通常)の証拠
- ✅ 医療費通知(自動入力)+漏れ分(交通費・市販薬・自由診療など)
- ✅ 補てん(高額療養費、給付金など)の明細
- ✅ 医療費控除の明細書(提出用)
✅ セルフメディの証拠
- ✅ 対象OTCのレシート等(対象表示あり)
- ✅ セルフメディの明細書
- ✅ 一定の取組の証拠(税務署から求められた場合に備えて保管)
月1保存フォルダ(おすすめ)
/確定申告/2025/医療費(控除)/
/01_医療費控除(通常)/
- 医療費通知(取得控え)
- 漏れ分(交通費メモ、自由診療領収書、市販薬レシート)
- 補てん(高額療養費・給付金明細)
- 医療費控除の明細書.pdf
/02_セルフメディ/
- 対象OTC_レシート.jpg
- セルフメディ明細書.pdf
- 一定の取組_証拠(健診/予防接種など)
/03_提出控え/
- 申告書控え.pdf
- 受信通知.pdf
11) よくあるミス(ここだけ避ければ勝ち)
- ❌ 併用できると思い込む(選択制)
- ❌ 一度選んだ後に修正申告で切り替えできると思い込む
- ❌ セルフメディで「一定の取組」をやっていない
- ❌ 医療費控除で、補てん(高額療養費等)を差し引き忘れる
- ❌ 交通費・市販薬・自由診療など“自動入力に乗らない分”を入れ忘れる
12) e-Taxで詰まらない小道具
マイナポータル連携・e-Tax送信は、マイナカード読取(スマホ or ICカードリーダライタ)が必要です。
13) 住民税の注意(普通徴収など)
- ✅ 医療費控除・セルフメディは住民税にも影響することがあります
- ✅ 会社員の「会社バレ」論点は #04 へ
ICカード
リンク
- 👉 #16 医療費控除:自動入力でも漏れるものチェックリスト
- 👉 #15 マイナポータル連携で自動入力できるもの一覧
- 👉 #13 e-Taxで詰まる原因トップ10
- 👉 #04 住民税:普通徴収・会社バレ論点整理
- 👉 確定申告カテゴリ(一覧)
編集後記
この手の制度は、結局「知らないと損」より“迷って時間を溶かす”方が痛いです。
私たちは、AとBを両方出して、数字で決める。毎年この型で迷いゼロにします。
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