結論から言うと、原則は“制限される(=自由にやってOKではない)”です。
ただし、許可・承認の枠に入るなら可能になるケースもあります。さらに国家公務員は、2026年4月1日施行で自営兼業(=自分で事業を営む形)の承認範囲が広がる見直しが出ています。(制度はまさに“旬がある”)
この記事では、まず最初に迷いを止めるために「まず結論」だけを整理します。
✅ まず結論:公務員の副業は「原則NG、例外は許可・承認」
国家公務員(ざっくり)
- 営利企業の役員になるのは原則NG(名義だけ・無報酬でも扱いに注意)。
- 自分で商売(自営)も原則NG。ただし一定の承認基準に合えば承認で可能な枠がある。
- 報酬が出る兼業全般は許可が必要になる場面がある。
国家公務員の兼業は、国家公務員法の枠組み(第103条・第104条)で制限されます。
e-Gov(国家公務員法)
地方公務員(ざっくり)
- 任命権者の許可なしに、営利企業の役員・自営・報酬を得る従事をするのは基本NG。
- ただし、自治体ごとに許可基準・運用がある(人事委員会規則や自治体規則)。
地方公務員の制限は地方公務員法(第38条)に基づきます。
e-Gov(地方公務員法)
✅ 「副業」って、法律上は何を指すの?(ここが一番の落とし穴)
僕が一番先に伝えたいのはここです。
世間の「副業」は広いけど、公務員の世界では“兼業(=官職以外の仕事)”として扱われ、主に次の3つに分解されます。
1) 役員兼業(会社の役員・理事など)
たとえ報酬がなくても、役員等の地位は“兼業”扱いになり得ます。名義だけでもアウト寄りになることがあるので、軽く考えるのが危険です。
2) 自営兼業(自分で事業を営む)
いわゆる「商売」です。不動産賃貸・太陽光電気販売・農業等が例として整理されます。
3) 有報酬の兼業(講師、原稿料、業務委託など)
役員でも自営でもないけど、お金をもらって何かをする。これも許可対象になり得ます。
つまり、「副業できる?」の答えは、あなたがやろうとしている行為がどれに当たるかで変わります。
✅ できる可能性が出る“現実ライン”(承認・許可の枠)
国家公務員:2026年4月1日から「承認可能な自営」が拡張
人事院は、国家公務員の自営兼業について、2026年4月1日から
- 職員の知識・技能をいかした事業
- 社会貢献に資する事業
を、承認基準を満たせば承認可能とする見直しを公表しています。
参考:
人事院(自営兼業の見直し)
国家公務員:不動産・太陽光は「規模」で自営扱いになり、承認枠がある
不動産賃貸が一定規模以上になると自営扱いになり得る目安として、たとえば
- 独立家屋5棟以上 / アパート10室以上
- 土地10件以上 / 駐車10台以上
- 賃貸料収入 年額500万円以上 など
が整理されています(※承認基準の考え方も含む)。
地方公務員:自治体の許可基準(規則)で判断される
地方は自治体ごとの規則・運用差があるので、結局は任命権者ルールで判断されます。
✅ 迷ったときの「3分判定」:僕ならこの順で確認する
ステップ1:自分は国家?地方?(ここでルールの主体が変わる)
国家公務員は人事院・所轄庁の枠、地方公務員は任命権者・自治体規則の枠で動きます。
ステップ2:やろうとしていることは「役員」「自営」「有報酬」のどれ?
- 役員:会社・団体の経営に関与する地位
- 自営:自分で事業を回す(販売、教室、請負など)
- 有報酬:講師、原稿、業務委託など
ステップ3:利害関係と職務影響が出ないか(ここが“運用”の核心)
承認・許可の判断は、官職との利害関係、信用、職務への支障(疲労や事故リスク含む)などがセットで見られます。
ここまで整理できたら、人事に確認しやすくなります。
逆に、ここが曖昧なまま突っ込むと、後から止血が大変です(止血は #6 で深掘りします)。
✅ よくある誤解(この段階で潰しておく)
- 「名義だけ役員ならバレない」 → 名義でも兼業扱いになり得る。
- 「投資は全部OK」 → 資産運用と“事業”は別。規模や実態で見られる。
- 「制度は昔から同じ」 → 2026年4月施行で見直しが入る(国家公務員)。
内部リンク(次に読む)
編集後記
僕はこのテーマを「副業の話」というより、制度の“季節”を読む話だと思っています。
制度が変わるとき、人は「昨日の常識」で動いてしまう。そこで損するのは、だいたい現場の人です。
だからこのシリーズは、感情じゃなくて条文・規程・運用で地図を作っていきます。次回は #4(バレる経路ベスト7)で、怖さの正体を分解します。
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※公務員の方は副業に制限がある場合があります。始める前に所属先の規程・許可要件を確認してください。
免責(大事なので短く)
本記事は一般的な情報提供で、個別案件の法的助言ではありません。兼業の可否は、職種・職務内容・所属の規程・許可権者の判断で変わります。必ず所属先の手続・人事へ確認してください。



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