“隠れてやる副業”が一番危ない|制度設計の欠陥【2026】

公務員副業で隠れてやることの危うさと制度設計の問題を問い直すコラム記事のサムネイル 公務員副業

僕は、公務員副業の話でいちばん危ないのは、実は「副業そのもの」じゃないと思っています。本当に危ないのは、隠れてやるしかない空気です。

家族名義、別アカウント、住民税テクニック、名義だけ変更、相談しないまま続ける。こういう動きが増えるのは、個人のモラルの問題だけではありません。

制度が現実に追いついていないと、人は制度を正面から使わなくなる。

このコラムでは、そのことを正面から書きます。


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✅ 僕は「隠れてやる人」を全面的に擁護したいわけじゃない

最初に、そこははっきりさせておきます。

僕は、無許可でやればいい、見つからなければいい、そう言いたいわけではありません。

公務員には、公務員として守るべき線があります。利害関係、職務専念、信用、公正性。そこを壊す副業は当然ダメです。

でも同時に、僕はこうも思っています。

「正面から相談しても無理そうだ」と思わせる制度や空気は、人を隠れた行動へ追い込みやすい。

ここを見ないで、「隠れてやる方が悪い」で終わらせるのは、少し雑だと思っています。


✅ 人は、ルールがあるから守るんじゃない。使えると思えるから守る

僕はこれが、本質だと思っています。

どんな制度でも、相談する意味があるちゃんと見てもらえる現実に合わせて判断してもらえると思えるなら、人は制度を使います。

でも逆に、

  • どうせ全部ダメだろう
  • 相談したら不利になるだけだろう
  • 前例がないから無理だろう
  • 細かい実情なんて見てもらえないだろう

こんな空気が強いと、人は制度を使わなくなります。

そうなると何が起きるか。
ルールの外側で、見つからないように動く文化が育ちます。


✅ 「隠れてやる」が増えるのは、個人のズルさだけじゃない

ここは、かなり大事です。

もちろん、隠してやる本人の責任はあります。

でも、隠れてやる人が増えるとき、その背景にはたいてい、相談しにくさ制度の硬さがあります。

実際、国家公務員の兼業Q&Aですら、兼業や兼業に該当しそうな活動を考えるときは、所属組織の人事担当部局に相談するよう案内しています。

裏を返せば、本来は「相談ルート」が正面にあるべきなんです。

でも現場感覚としては、そこに壁を感じる人が多い。僕はそこが問題だと思っています。


✅ 制度の側も、実は変わり始めている

ここは希望でもあります。

人事院は、2026年4月1日から、国家公務員の自営兼業制度を見直し、職員の知識・技能をいかした事業や、社会貢献に資する事業を承認可能にしました。

さらに地方でも、静岡県のように、38条許可の取扱いを拡充し、県職員が兼業を実践しやすい方向へ制度を動かしている例があります。

僕はこれを、とても大事な変化だと思っています。

なぜなら、制度の側が少しずつでも「全部を一律に押さえ込むだけでは無理だ」と認め始めているからです。

もし本当に昔の制度で十分なら、こんな見直しは起きないはずです。


✅ 問題は「副業をしたい人」ではなく、「相談したくても相談できない構造」

ここが、僕の一番言いたいことです。

公務員副業の議論は、すぐに「やりたいなら辞めればいい」「隠れてやるのは最低だ」で終わりがちです。

でも、そこで止まると本質を外します。

本当に見るべきなのは、

  • なぜ相談せずに始めるのか
  • なぜ家族名義や別名義の発想が出るのか
  • なぜ“バレない方法”の検索が先に走るのか
  • なぜ制度の正面ではなく、抜け道の方がリアルに感じられるのか

という構造です。

僕は、ここを制度の側も真剣に見ないと、何度でも同じことが起きると思っています。


✅ ルールが厳しいことより、「ルールが使えない」と感じることの方が危ない

たぶん、ここが一番伝えたい部分です。

厳しいルールそのものは、まだいいんです。公務の信用を守るために厳しさが必要な場面はあります。

でも、厳しさと同時に、

  • どこまでなら相談できるのか
  • どんな活動なら通る可能性があるのか
  • 何を説明すれば判断してもらえるのか
  • 相談した人が一律に損をしないか

この辺りが見えないと、ルールは“守るためのもの”ではなく、避けるためのものになります。

僕は、それが一番まずいと思っています。


✅ 隠れてやる副業が危ないのは、制度的にも、本人にとっても最悪の形だから

隠れてやると、何が起きるか。

  • 相談がないから、最初のブレーキがない
  • 税務や住民税で後から歪みが出る
  • 家族名義や別アカ運用で説明が複雑になる
  • 見つかった時に「隠していた」こと自体が重くなる
  • 結局、本人も制度もお互いに不信感だけが残る

つまり、隠れてやる副業は、副業の中身以上に、“やり方”で自分を追い込むんです。

だから僕は、「隠れてやるのが一番危ない」と書いています。

それは道徳の話というより、構造として最悪の形だからです。


✅ 僕が思う、必要な改善

この問題を個人の根性論だけで片づけるのは無理があります。

僕は、少なくとも次の3つは必要だと思っています。

  1. 相談しやすい窓口と判断基準を、もっと見える化すること
  2. 知識・技能型や社会貢献型など、通り得る副業をもっと明確にすること
  3. 「隠した人が悪い」で終わるのではなく、なぜ隠したくなるのかを制度側も見ること

厳しさは必要です。
でも、厳しさだけでは、人は正面に戻ってきません。


✅ このコラムの結論

“隠れてやる副業”が一番危ないのは、その人が悪いからだけじゃありません。

制度が現実とズレ、相談が使いにくく、通るラインが見えないとき、人はルールを正面から使わなくなります。

僕は、公務員副業の議論で本当に必要なのは、隠れた人を叩くことより、隠れなくていい制度に近づけることだと思っています。


内部リンク(次に読む)


編集後記

僕はこのコラムで、制度批判をしたいわけじゃありません。

言いたいのは、現実とズレたルールは、人を正面ではなく影へ押し出すということです。

そして、その影の運用が増えるほど、制度も個人も、両方が傷ついていく。

だったら必要なのは、締め付けを強めることだけじゃない。正面から相談できる制度をつくることだと、僕は思っています。


✅ 参考(公式情報)


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※公務員の方は副業に制限がある場合があります。始める前に所属先の規程・許可要件を確認してください。


免責(大事なので短く)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。兼業の可否は、所属先の規程・内規、職務内容、任命権者や人事担当の判断で変わります。必ず所属先の人事・服務担当へ確認してください。

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